「AIっぽいね」と言われてから変えたこと
あれは使い始めて3ヶ月くらい経った頃。クライアントに提案したLPのビジュアルを見せたら、一言「なんかAIっぽいよね」と返ってきた。
グサッとくる言葉だった。でも冷静に画面を見直すと、確かにそうだった。きれいすぎる。整いすぎてる。どこかで見たような色合い。「Claude Designで出てきました」感が滲み出ていた。
その日から、プロンプトの書き方をかなり変えた。
なぜ「AIっぽく」なるのか
Section titled “なぜ「AIっぽく」なるのか”Claude Designに限らず、AIが出す「デフォルト品質」というのがある。指示なく生成させると、だいたい似たようなものが出てくる。
- 配色: 青・白・グレーの無難な組み合わせ、もしくはトレンドを意識したパステル系
- レイアウト: 中央寄せ、大きな余白、ヒーロー画像+説明テキストの定型
- 書体: サンセリフの太字見出し+細字本文の「スタートアップっぽい」組み合わせ
- 装飾: グラデーション、角丸、ぼかし——全部が現代的すぎる
これが積み重なると、出所がバレる。「あ、AIで作ったやつだ」と。
変えたこと①:「制約」を先に書く
Section titled “変えたこと①:「制約」を先に書く”以前は「おしゃれなLPを作って」から始めていた。今は逆で、まず制約から書く。
・グラデーションなし・角丸は4px以下か0・フォントカラーは#1A1A1Aと#666666のみ・写真を使う場合は人物なし・余白は詰め気味でこういう「やらないこと」リストを冒頭に置くだけで、AIっぽさがかなり抑えられる。Claude Designはネガティブ指示が苦手な面もあるが(→「〜しないで」という否定指示がなぜ効かないのか)、仕様として「〜は使わない」と書くと比較的通りやすい。
変えたこと②:「古め」を意図的に混ぜる
Section titled “変えたこと②:「古め」を意図的に混ぜる”AIが苦手なのが「時代感のずらし」だ。2000年代っぽいレイアウト、印刷物的なクラシックさ、手書き感——こういうものを意図的に要求すると、途端にオリジナリティが出てくる。
実際に使ったプロンプト:
90年代の老舗デパートの紙媒体広告を参考に。縦型、明朝体を主軸、写真なし。ゴールドと黒の2色のみ。線を多用した格式ある構成で。これで出てきたデザインは、誰も「AIっぽい」とは言わなかった。むしろ「どこで依頼したの?」と聞かれた。
変えたこと③:「誰が見るか」を細かく書く
Section titled “変えたこと③:「誰が見るか」を細かく書く”「おしゃれなデザイン」は実は何も言っていない。AI側も人間側も、基準がバラバラだから。
今は「誰が、どこで、どんな状況で見るか」を書くようにしている。
対象:40代以上の地方中小企業の社長閲覧環境:スマートフォン、移動中、屋外第一印象:「信頼できる」「老舗感」「派手じゃない」避けたいイメージ:スタートアップ、テック、若者向けターゲットが具体的だと、AIが選ぶ色・書体・余白も変わってくる。「信頼できる印象」と「老舗感」を同時に指定すると、無難なブルー系から離れて、落ち着いたネイビーや深緑を選ぶようになった。
変えたこと④:「好き」より「参考になるもの」を伝える
Section titled “変えたこと④:「好き」より「参考になるもの」を伝える”「かっこいいデザイン」は主観なので無意味だと気づいた。代わりに、具体的な参考物を言語で説明するようにした。
・無印良品のカタログのような生活感ある清潔さ・山と溪谷社の書籍のような縦組み的構造・地方銀行のパンフレットのような堅実さ文章での参照なので精度は100%ではないが、方向性が揃うだけでAIっぽさは薄れる。
今でも「AIっぽい」と言われるとき
Section titled “今でも「AIっぽい」と言われるとき”正直に言うと、今でもたまに言われる。特に「とにかくモダンで洗練されたものを」という抽象的な依頼をそのままClaude Designに流したとき。
「モダンで洗練」はAIの得意な方向性なので、AIが一番AIらしいものを出してくる。そういう依頼を受けたときは、自分でいったん「それって具体的にどういうビジュアルか」を砕いてからプロンプトに変換している。
中間翻訳コスト、ゼロにはならない。でもそれがデザイナーとして残る仕事だと思っている。
作成日:2026年9月6日
更新日:2026年9月6日