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競合もClaude Designを使い始めた——差がなくなる前に考えたこと

半年前、同業の知り合いから「うちもClaude Design使い始めたよ」という連絡が来た。正直、少しヒヤッとした。

NANAKAZOKUがClaude Designを使い始めたのは2024年の終わり頃。最初の1年は「AIでデザインできる」というだけで他社と差がついていた。でも今は違う。クライアントからも「他の会社さんもAI使ってるって言ってましたよ」と言われる時代になっている。

「ツールが同じなら、アウトプットも同じになるんじゃないか」という不安を正直に書く。

「同じプロンプトなら同じ結果」は本当か

Section titled “「同じプロンプトなら同じ結果」は本当か”

最初に確かめたかったのはこれだった。競合がClaude Designを使っても、全く同じものが出てくるのか?

実際に試してみると、答えは「そうでもない」だった。

Claude Designの品質はプロンプトの質に正比例する。「シンプルなLP」と打てば、誰がやっても似たり寄ったりの結果になる。だが「35〜45歳の女性経営者向け、高単価コンサルの信頼感を表現したLP。フォントはモダンセリフ、余白多め、CTAはF.A.B(Feature, Advantage, Benefit)の構造で」と打つと、途端に差が出る。

つまりプロンプトの蓄積が資産になる。ツールは同じでも、そこに注ぎ込んだ試行錯誤の量が違う。

※Claude Design: Anthropic Labsが開発したAIビジュアルデザインツール。テキストプロンプトからUI・スライド・マーケ資料などを生成する。※プロンプト: AIへの指示文。Claude Designでは自然言語でデザインを指示する。※CTA: Call To Action(行動喚起)。ボタンやリンクでユーザーに次の行動を促す要素。※LP: ランディングページの略。特定のCTAに向けて設計されたWebページ。

気づいたのは「プロンプトの背景知識」の差

Section titled “気づいたのは「プロンプトの背景知識」の差”

Claude Designを使い始めた人と、半年以上使い込んでいる人の一番の違いは「デザインの言語化力」だと思う。

たとえばこの違い:

浅いプロンプト

清潔感のあるデザインにしてください

深いプロンプト

清潔感を表現するために:
- 余白は要素の高さの1.5倍以上確保
- カラーは白ベース+1色のアクセント(彩度低め)
- テキストの行間は1.7〜1.8
- 写真は人物なし・物撮りか風景のみ

前者は誰でも書ける。後者は「清潔感がなぜ清潔感に見えるか」を理解していないと書けない。

Claude Designが普及するほど、デザイン知識とプロンプト力の組み合わせが参入障壁になっていくと確信した。

差になったのは「速さ」ではなく「解釈力」

Section titled “差になったのは「速さ」ではなく「解釈力」”

競合他社との差を考えたとき、「速さ」はもはや差にならないと気づいた。Claude Designを使えば誰でも速い。

差になるのは**「クライアントが言葉にできていない要件を引き出す力」**だ。

「なんか信頼感が足りない」「もう少し若い感じで」——こういう曖昧な言葉をデザイン仕様に翻訳して、Claude Designに正確に渡す。このプロセスはAIにはできない。

実際、競合が増えてからむしろ「ヒアリングシート」を丁寧に作るようになった。クライアントから引き出す情報の質が上がると、プロンプトの質が上がり、初稿の精度が上がる。修正回数が減るのでコスト効率も上がる。

ブランドトーンの「語彙集」を持っているかどうか

Section titled “ブランドトーンの「語彙集」を持っているかどうか”

もうひとつ差になったのが、クライアントごとのデザイン語彙集だ。

長く付き合っているクライアントには、過去のOKデザイン・NGデザインから抽出したキーワードのリストがある。「このクライアントには”温かみ”と言うとドキっとするが、“人間らしい”は刺さる」みたいな情報だ。

これをプロンプトに組み込むと、初回提案でほぼ方向性が決まる。新しくClaude Designを使い始めた競合には、この蓄積がない。

結論:ツールの民主化は、熟練者の価値を下げない

Section titled “結論:ツールの民主化は、熟練者の価値を下げない”

正直、最初は焦った。でも半年経って気持ちは変わった。

Claude Designが誰でも使えるようになることで、「ツールが使えます」という価値はゼロになった。同時に、「クライアントの要件を正確にデザインに変換できます」「品質のブレない量産ができます」という価値は、むしろ希少になっていく気がしている。

競合が増えたことで、NANAKAZOKUが本当に強みにすべきものが明確になった。それはツールではなく、プロセスと知識の蓄積だ。

作成日:2026年10月28日

更新日:2026年10月28日