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クライアントにClaude Designを渡してみた話——使わせるのと自分で使うのは全然違う

NANAKAZOKUでは自分たちが使うだけでなく、クライアントにClaude Designを渡して自走してもらう試みを何度かやってきた。正直に言うと、最初の3回は全部うまくいかなかった。

「渡してみよう」と思ったきっかけ

Section titled “「渡してみよう」と思ったきっかけ”

毎回デザイン作業を依頼してくれる中小企業のクライアントがいた。SNS用のバナーを週2〜3本、月に10本前後。単価は安いし、作業自体は単純なのに、毎回ブリーフのやり取りで時間がかかっていた。

「Claude Designを使えば自分で作れるはず。アカウント取って、これで試してみてください」と渡したのが最初の試みだった。

結果:2週間後に「やっぱりやっておいてもらえますか」と戻ってきた。

※Claude Design: Anthropic Labsが開発したAIビジュアルデザインツール。テキストプロンプトからUI・スライド・マーケ資料などを生成する。

戻ってきた理由を聞いたら、こういう話が出た。

  • 「プロンプトに何を書けばいいかわからない」
  • 「最初に試したら変なデザインが出てきて、どう直せばいいのかわからなかった」
  • 「完成基準がわからない。これで出していいのか毎回不安」

なるほど、と思った。自分がClaude Designをスムーズに使えているのは、失敗して学んだプロセスがあるからだ。それを省いて「ツールだけ渡す」のは、料理道具を渡して「作れるはず」と言うようなものだった。

プロンプトの書き方も、生成の反復も、品質の見極め方も、自分にとっては無意識にやっていることが、初めて使う人には全部暗黙知になっていた。

※プロンプト: AIへの指示文。Claude Designでは自然言語でデザインを指示する。

うまくいった渡し方のパターン

Section titled “うまくいった渡し方のパターン”

3回失敗してから変えたこと。

プロンプトのひな型を渡す

「どう書けばいいかわからない」問題は、最初から5〜6個のひな型を用意して渡したら解決した。「SNSバナー用」「商品紹介用」「告知用」など用途別に作って、変数(商品名、日程、色など)を埋めるだけにした。

最初に何かを作れた体験があると、そこから応用ができるようになる。空のテキストエリアに向き合わせるのが一番よくなかった。

「これで出せる基準」を先に決める

完成基準がないから不安になる。なので「このチェックリストをクリアしたら出してOK」という10項目のリストを作った。テキストが切れていないか、ブランドカラーが合っているか、フォントは読めるか、など。

最初は「そこまで要るの」と思ったが、このリストがあると迷いなく「OK」「NG」を判断できるようになった。

最初の1ヶ月は週1で確認する

いきなり完全自走は無理だった。週1で「先週の生成、見せてもらえますか」と確認する時間を設けた。「これはこのプロンプトだとよかったかも」という具体的なフィードバックを繰り返したら、2ヶ月目からは本当に自走し始めた。

今でも渡さない方がいいと思うケース

Section titled “今でも渡さない方がいいと思うケース”

全員がうまくいくわけではない、とも感じた。

こういう人には渡さない方がいい:

  • デザインの完成度に絶対的なこだわりがある(AIっぽさを嫌う)
  • フィードバックを言語化するのが苦手(「なんか違う」としか言えない)
  • プロンプトを書くこと自体に抵抗感がある

逆に向いているのは:「完璧じゃなくてもスピードが欲しい」「量が多くてコストをかけられない」「内容は自分で把握しているが形にする手段がない」というタイプ。

クライアント自走のいい副産物

Section titled “クライアント自走のいい副産物”

クライアントが自走し始めると、こちらに回ってくる仕事の質が上がった。「バナー量産はClaudeで自分でやるから、ここぞというときのブランド設計だけお願いしたい」という話が来るようになった。

「安い仕事を大量にこなす」から「戦略的な仕事に集中する」方向にシフトできた。これは副産物として想定外だったが、今では意図的にこの構造を作るようにしている。


渡すことと使わせることは全然違う。でもちゃんとやると、お互いに時間を使うべき場所が変わって、それが一番いい結果につながった。

作成日:2026年10月27日

更新日:2026年10月27日