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Claude Designを半年使い続けたら、自分でデザインできなくなっていた話

気づいたのは、久しぶりにFigmaを開いたときだった。

「ちょっと練習がてら、一から作ってみるか」と思い立って、新規ファイルを作った。白いキャンバス。フォントを選ぼうとして、手が止まった。いつもなら3秒で決める見出しフォントが、15分経っても選べない。

正確には分からない。でも思い返せば、半年間Claude Designを毎日使っていた。

使い方のパターンも固まっていた。「テキストを入れて → 生成して → フィードバックして → 修正して → 出力」。このフローが完全に染みついていた。

フォントを「選ぶ」という行為を、ほとんどしていなかった。「Noto Sans JPで」と打つか、Claude Designに任せるかの二択だった。レイアウトも「3カラムグリッドで余白32px」と指定するか、生成結果を見て「これでいい」か「もう少し左に」と反射的に判断するだけだった。

「デザインを考える」という行為のかなりの部分を、外注していたことになる。

※Claude Design: Anthropic Labsが開発したAIビジュアルデザインツール。テキストプロンプトからUI・スライド・マーケ資料などを生成する。

具体的に何ができなくなっていたか

Section titled “具体的に何ができなくなっていたか”
  • フォントペアリングを0から考えられない
  • タイポグラフィのサイズ比率を感覚で決められない
  • カラーパレットを3色選ぶのに異様に時間がかかる
  • レイアウトのラフスケッチが描けない(頭に絵が浮かばない)

どれも「Claude Designが得意なこと」だった。自分の代わりにやってもらっていたことで、その筋肉が落ちていた。

最初は焦った。「これはまずい」と。でも少し冷静に考えると、それほど異常でもないとも思い始めた。

電卓を使い続けたら暗算が遅くなる。カーナビを使い続けたら道を覚えなくなる。同じことだ。問題は「ツールに任せること」ではなく、「任せたことを認識していなかったこと」だと思っている。

ただ、実際に困る場面はある。急に「ツールが使えない環境でちょっとデザインして」という状況になったとき、動けなくなる。あとはクライアントに「どう考えてこのレイアウトにしたか」を説明するとき、自分の言葉がない。

週に1回、Claude Designを使わずにFigmaで何か小さいものを作る時間を設けた。別に上手くなくていい。「自分でデザインを考える」という筋肉を維持するための運動のつもりで。

Claude Designへの依存を減らそうとしているわけじゃない。むしろ今後も使い続ける。ただ、「何を任せているか」を意識することだけは続けたいと思っている。AIに全部渡すと楽になれるが、何かを失う。それを忘れないようにすることが、今の自分にとっての使いこなし方だと思っている。

※Figma: デザイナーが多く使うUIデザインツール。Claude Designの主要な比較対象。

作成日:2026年10月30日

更新日:2026年10月30日